キュービクル(高圧受電設備)の内部に大量の埃が堆積している現場があり、年次点検時に清掃を実施しました。
今回の現場では、清掃前後で絶縁測定値の変化も確認しています。
結果として、
清掃前:1260MΩ → 清掃後:2000MΩ
まで改善しました。
また、清掃中に設備不具合も複数発見できました。
今回はその事例をご紹介します。
キュービクル内部の汚れがひどかった原因
今回の現場では、キュービクル内部にかなりの埃や砂が堆積していました。
考えられる原因としては以下です。
- 近隣に畑があり、砂埃が飛来している
- 前年まで別業者が保安管理を行っており、年次点検時の清掃が十分に実施されていなかった可能性
キュービクルは密閉されているように見えても、換気口等から細かな砂埃が侵入します。
長年蓄積すると、設備不良や絶縁低下の原因になることがあります。
清掃前の写真です。


キュービクルの汚れによるリスク
キュービクル内部に埃が蓄積すると、以下のような問題につながる可能性があります。
高圧機器の絶縁低下
埃が湿気を含むことで、機器表面に漏れ電流が流れやすくなり、絶縁抵抗値が低下することがあります。
特に、
- 湿気が多い場所
- 沿岸地域
- 工場や粉塵環境
- 畑が近い立地
では注意が必要です。
機器異常の発見が遅れる
汚れが多い設備は、細かな異常に気づきにくくなります。
清掃を伴う点検は、設備状態を正しく確認するためにも重要です。
清掃前後の絶縁測定結果
今回の現場では、年次点検時に絶縁抵抗測定を実施しました。
測定結果は以下です。
清掃前:1260MΩ
清掃後:2000MΩ
清掃前の絶縁抵抗値の写真です。

数値として改善は見られましたが、正直なところ、清掃前の段階でも「極端に悪い値」ではありませんでした。
理由としては、内部の埃が乾燥状態だったことが大きいと考えられます。
湿気を含んだ汚れであれば、さらに絶縁低下が進んでいた可能性があります。
なお、この設備は1993年製の機器が多く使用されている設備でした(一部更新あり)。
経年設備では、こうした日常的な清掃・点検の積み重ねが特に重要になります。
清掃後の写真です。


清掃中に発見した不具合
今回の現場では、清掃をしながら設備確認を行ったことで、複数の不具合を発見しました。
VCTの繋ぎ込みカバー外れ
VCT(計器用変成器)の繋ぎ込み部カバーが外れていました。
異物混入や接触リスクがあるため、その場で復旧しました。
カバーの復旧前後の写真です。


ZCT固定部の破損
ZCTの固定部が破損していました。
今回はインシュロックにて応急固定を実施しています。

PCS内部ヒューズのずれ落ち
PCS内部でヒューズが下方向にずれている状態を確認しました。
左側のPCSの下部の赤い部分が他よりも出ています。内部のヒューズの固定が弱くなってきてずれてきていました。
こちらも復旧対応を行いました。


清掃は「絶縁改善」だけでなく不具合発見にも重要
今回のケースでは、清掃前でも絶縁値はそこまで悪くありませんでした。
しかし、清掃を行ったことで、
- 絶縁値の改善
- 機器異常の発見
- 細部確認による予防保全
につながりました。
キュービクル設備は、「壊れてから対応」では停電や高額修繕につながる可能性があります。
年次点検時の清掃は、設備寿命を延ばし、不具合の早期発見にも役立ちます。
キュービクルの汚れや設備状態が気になる方は、お気軽にご相談ください。

