ゴールデンウィーク期間中は、大規模現場の応援として各地の年次点検に参加しています。
今回は茨城県の現場で、年次点検の応援に行きました。
この日はリレー試験を担当しました。
■DGRリレー試験の対応
今回実施したのは、
変圧器2次側に接続された接地用コンデンサ回路のDGR(地絡方向継電器)試験です。
あまり経験のない試験内容だったため、
現場の経験者の方に配線をしていただき、私は測定器の操作を担当しました。
■試験方法について
今回の試験では、以下の方法で実施しました。
- 接地用コンデンサを3線短絡
- 対地間で電圧印加して試験
この現場では、
変圧器2次幹線と接地用コンデンサの間にブレーカーが設置されている
構成だったため、
- ブレーカーを開放
- ブレーカー2次側で3線短絡
- そこに電圧印加配線
という流れで、安全かつ効率的に試験を行うことができました。

【接地用コンデンサ】

【DGRリレー本体】


■接地用コンデンサが設置されている理由
今回の現場では、
400V系統に接地用コンデンサが設置されていました。
この設備は、
非接地配電方式(非接地系)
が採用されています。
■非接地配電方式の特徴
非接地配電方式は、
- 地絡時に電流が流れにくい
- 設備を停止せず運転継続が可能
というメリットがあります。
一方で、
漏電(地絡)の検出が難しい
というデメリットがあります。
■接地用コンデンサの役割
そこで設置されるのが、
接地用コンデンサです。
接地用コンデンサを設けることで、
対地静電容量を形成し
地絡電流を検出しやすくする
役割があります。
今回の現場では、
- 400V系設備自体が少ない
- さらにDGRリレーが設置されているケースも少ない
という条件もあり、
接地用コンデンサを実際に扱う機会が少なく、良い経験となりました。
■試験時の注意点(重要)
今回の試験で特に注意が必要だったのが、
試験電圧の違いです。
■通常の試験条件
DGRリレー試験では一般的に、
- リレー電圧整定値:5%
- 電圧試験端子「T」とアース間に電圧印加
という方法で試験を行います。
基本的にはこの場合、
約190V程度が試験電圧となります。(一部のメーカーの仕様により19Vになることもあります。)
■今回の現場での違い
普段試験をしている光商工製のDGRリレーでは、
高圧部分についているZPDに接続される変成器の 電圧試験端子「T」を使用して約190V印加
という認識でした。
しかし今回は、
接地用コンデンサ側に電圧試験配線をする試験方法
だったため違和感がありました。
そこで、過去の試験成績書を確認したところ、
試験電圧は約19V(通常の1/10)
であることが分かりました。
メーカーの仕様等でDGRの試験電圧を変わることがあるので確認が必要です。
■注意しないとどうなるか
この仕様を知らずに試験を行うと、
本来19Vで良いところに190Vを印加してしまう
可能性があります。
その結果、
- リレーへの過負荷
- 機器の故障リスク
につながる恐れがあります。
■今回の対応
今回は、
- 普段との違いに違和感を持った
- 試験成績書を確認
- リレー担当者へ確認
を行い、安全に試験を実施しました。
■まとめ
今回の事例から、
- 試験方法の違い
- メーカー仕様の違い
- 回路構成の違い
によって、試験条件が大きく変わることを再認識しました。
特に、
✔ 試験電圧が1/10になるケース
✔ 接地用コンデンサ回路の理解
は重要なポイントです。
思い込みで作業を進めず、
必ず事前確認を行うことが安全につながります。
■電気設備の点検・ご相談はこちら
同業者様からの年次点検応援のご依頼も承っております。
また、自家用電気工作物の保安管理業務も対応しております。
- 横浜市を中心に神奈川県内
- 東京都内
- その他エリア(横浜市から車で2時間圏内)
対応可能です。
お気軽にお問い合わせください。


コメントを残す