年次点検でOCR(過電流継電器)とGR(地絡継電器)が複合している保護リレーの試験を実施しました。
OCR・GRは事故時にVCB(高圧遮断器)を動作させる重要な保護装置です。年次点検では、実際に遮断器と連動して動作するか確認するため、VCBとの連動試験を行います。
今回の現場では、主変圧器側と第二変圧器側の2箇所にOCR・GR複合リレーが設置されていました。
GR試験ではVCBとの連動試験を行うため、
・GR本体電源
・トリップ用電源
に外部電源を供給する必要があります。
一般的には、これらの電源は変圧器二次側の1つのブレーカーからまとめて供給されていることが多いです。
【図:一般的な電源の供給の図】

しかし、今回の現場では制御電源の取り方が通常と少し異なっていました。
【写真:主変GRリレー表側】

主変では、
・GR本体電源 → VT(二次側)由来の可能性がある配線
・トリップ用電源 → 変圧器二次側ブレーカーから供給
という構成でした。
VT二次側の配線に線番表記はありませんでしたが、リレー裏面端子に接続されている配線色が一致していたため、VT二次側から供給されている可能性があると判断しました。
このような場合、誤ってVT側へ外部電源を供給してしまうと危険なため、慎重に配線確認を行います。
【写真:主変側GRリレー裏面】

今回は安全に試験を行うため、下記の方法で外部電源配線を実施しました。
・変圧器二次側ブレーカーへ外部電源を接続
・リレー裏面のP1、P2配線を取り外し
・S1-P1、S2-P2左記の様に渡り線で接続
この方法であれば、VT側へ外部電源が供給されることを防ぎながら試験が可能です。
【写真:VT二次側配線】

【図:主変側 試験配線図】

第二変では、さらに少し異なる回路構成でした。
【写真:第二変GRリレー表側】

第二変では、
・GR本体電源 → 変圧器二次側ブレーカーから供給
・トリップ用電源 → S1がP1と共通、S2は変圧器二次側幹線からヒューズ経由
という構成でした。
そのため、試験時は下記の方法で対応しました。
・変圧器二次側ブレーカーへ外部電源を接続
・S2と変圧器二次側幹線の間にあるヒューズを抜去
・P1-S2を渡り線で接続
【写真:第二変GRリレー裏面(渡り線施工状態)】

【写真:外部電源を印加したブレーカー】

【図:第二変 試験配線図】

結果として、試験は問題なく完了しました。
保護継電器の試験では、設備ごとに制御回路の構成が異なることがあります。図面通りではない改造や、過去の更新工事による仕様変更が入っているケースも少なくありません。
今回も通常とは異なる制御電源回路でしたが、配線を確認して安全面を配慮して試験をしました。
年次点検では測定だけでなく、このような制御回路や保護装置の状態確認も重要な業務のひとつです。
安井電気管理事務所では、OCR・GR・DGR・OVGRなど各種保護継電器試験を実施しております。
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