今回は、受託している現場で確認していた高圧盤の力率計の異常について、工事業者さんに現場調査をしていただきました。
力率計の指針がLAG側に振り切れている
こちらの現場では、高圧盤に設置されている力率計の指針がLAG側に振り切れた状態になっていました。
【写真:LAG側に振り切れている力率計】

LAG側を示しているということだけで、すぐに力率計の故障と判断したわけではありません。
この現場の力率計は、以前の点検ではLEAD側を示していました。
さらに、東京電力のメーターを確認すると、こちらではLEADの表示となっています。
高圧盤の力率計はLAG側に振り切れている一方で、以前の指示や東京電力のメーターの表示とは一致していません。
これらの状況から、高圧盤の力率計が正常な値を示していない可能性があると判断しました。
力率計本体の故障とは限らない
力率計の表示に異常があるため、本体の故障が疑われます。
ただし、力率計は単体で動作しているわけではなく、CTやVTなどから信号を受けて指示しています。
そのため、力率計の指示がおかしいからといって、必ずしも力率計本体だけが原因とは限りません。
本体以外の部分に不具合があり、その影響によって正しい値を示していない可能性も考える必要があります。
工事業者さんに現場調査を依頼
今後の改修方法を検討するため、工事業者さんに現場を確認していただきました。
実際に設備を確認してもらったところ、
「おそらく力率計本体の故障ではないか」
との見解でした。
ただし、現時点では本体の故障であると確実に断定することはできないとのことでした。
こちらの現場は海岸から比較的近い場所にあります。
そのため、塩害など周辺環境による影響も可能性の一つとして考えられますが、原因を特定できているわけではありません。
現時点では、あくまで考えられる可能性の一つとして捉えています。
力率計を交換しても改善しない可能性を事前に説明
お客様には工事を進める前に、
「力率計本体以外の部分に原因があり、その影響によって正しい値を示さなくなっている可能性もあります。その場合、力率計本体を交換しても正常な指示に戻らない可能性があります」
と説明しています。
工事業者さんも、過去に力率計の改修実績がある業者などから情報を集めたうえで、今後の工事を進めてくれることになりました。
原因が完全に特定できていない状態であることをご理解いただいたうえで、今回はまず力率計本体を更新し、その後の状態を確認するという方針になりました。
停電して力率計本体を更新予定
力率計本体の更新工事は、高圧受電設備を停電した状態で実施する予定です。
停電して力率計を交換する際には、本体を交換するだけでなく、関連する部分についても異常がないか確認します。
交換後は、力率計が正常な値を示すようになったかを確認し、その後も経過を見ていく予定です。
計器の異常も点検時に確認しています
今回のように計器の指示がおかしい場合でも、表示している計器そのものが原因とは限りません。
また、今回については単に「LAG側を示している」という理由だけで異常と判断したのではなく、
・以前の点検ではLEAD側を示していたこと
・東京電力のメーターではLEADの表示となっていること
・高圧盤の力率計だけがLAG側に振り切れていること
などを確認したうえで、正常な指示ではない可能性があると判断しました。
原因を断定できない場合には、そのこともお客様へ説明し、工事業者さんと相談しながら対応方法を検討することが大切だと考えています。
弊事務所では、月次点検・年次点検で設備の異常や計器類の不具合などを確認した場合、必要に応じて工事業者さんと連携しながら改修についてご相談させていただいております。
自家用電気工作物の保安管理委託先をお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。

