今回は東京都内で竣工試験の応援に行きました。
実施した内容は、
- 耐圧試験
- OCR試験
- シーケンス試験
です。
まずは耐圧試験で使用する機材を現場へ荷上げし、試験の準備を進めます。
【写真:耐圧試験機材のセット完了】

ケーブルとキュービクルを試験用配線で接続
今回は引込ケーブルとキュービクルを一括で耐圧試験します。
まだケーブルとキュービクルは接続されていない状態だったため、試験用のケーブルを使用して仮接続を行いました。
VCSにも試験電圧がかかるように配線
コンデンサ用のVCSは投入状態にできないため、そのままでは試験電圧が印加されません。
そのため、こちらも試験用ケーブルを使用して接続し、VCS側にも電圧が加わるように準備しました。
【写真:VCS裏側の試験用配線】

試験前に充電電流を計算
配線が終わったら、試験前に予想される充電電流を計算します。
まずはテスターで大地静電容量を測定しました。
- 大地静電容量:0.070nF
この値から充電電流を求めます。
0.070 × 3.25 = 0.2275
0.2275 × 1000 = 227.5mA
予想される充電電流は約227.5mAとなりました。
今回は耐圧トランスとリアクトルを使用します。
- 耐圧トランス定格二次電流:167mA
- リアクトル補償電流(10,350V時):165mA
合計すると、
167 + 165 = 332mA
となります。
予想される充電電流227.5mAより十分余裕があるため、この構成で試験可能と判断しました。
高圧メガー実施後に耐圧試験開始
耐圧試験前に高圧メガーで絶縁抵抗を確認します。
その後、耐圧試験を開始しました。
昇圧中は5,000Vで一度停止し、検電器で各機器に電圧が印加されていることを確認します。
問題がないことを確認後、試験電圧10,350Vまで昇圧し、10分間の耐圧試験を実施しました。
試験結果
実際の測定値は次のとおりでした。
- 充電電流:220mA
- 耐圧トランス二次電流:50mA
- 一次電流:4.8A
充電電流
予想値は227.5mAでした。
実測値は220mAで、計算値にかなり近い結果となりました。
【写真:充電電流メーター】

耐圧トランス二次電流
耐圧トランスの二次電流は、
220 − 165 = 55mA
程度になると予想していました。
実際は50mAとなり、こちらもほぼ計算どおりでした。
【写真:耐圧トランス二次電流メーター】

また、耐圧トランスの定格二次電流は167mAです。
昇圧中はこの値を超えないよう常に確認しながら試験を進めています。
もし定格に近づく場合は、
- 試験範囲を分ける
- リアクトルを追加する
などの対応が必要になります。
今回は50mAと十分余裕があったため、安心して試験を進めることができました。
一次電流
耐圧トランスの一次電流は、二次電流のおおよそ100倍になります。
50mA × 100 = 約5A
実際の測定値は4.8Aでした。
こちらも計算値とほぼ一致しました。
【写真:一次電流メーター】

計算値と実測値を比較する理由
耐圧試験では、事前に計算した値と実測値を比較しています。
大きな誤差がなければ、
- 試験用配線の間違いがない
- 想定どおりの設備構成になっている
という判断材料の一つになります。
そのため、私は試験前に予想される充電電流などを計算してから試験を実施しています。
耐圧試験終了
10分間の耐圧試験は異常なく終了しました。
その後、再度高圧メガーを実施し、キュービクル内部に忘れ物がないことを確認して耐圧試験を完了しました。
最後にOCR試験とシーケンス試験を実施し、今回の竣工試験はすべて終了しました。
まとめ
竣工試験では、試験を実施するだけではなく、事前に予想される数値を計算し、実際の測定値と比較することも大切です。
計算どおりの結果が得られることで、配線ミスなどがないことを確認でき、安心して試験を進められます。
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