【高圧受電設備】VCT更新に合わせた年次点検|地絡継電器試験と復電後の確認

今回は、弊事務所で保安管理を受託している現場で年次点検を実施しました。

同日にVCTの更新工事もあり、工事業者さんと作業状況を確認しながら点検を進めました。

【写真:VCT】

電力会社の借室から受電している現場

こちらの現場は、電力会社の借室から高圧電力の供給を受けています。責任分界点は、借室内にある開閉器の二次側です。

現在はUGSが設置されておらず、引込ケーブルで地絡事故が発生した際に、需要家側で事故箇所を切り離すための保護がない状態です。

引込ケーブルの地絡保護に対応するため、借室内の設備改修を伴うUGSの設置が課題となっていますが、予算の都合で実施には至っていません。

今回の停電・送電にあたっては、電力会社に借室内の開閉器の操作を依頼しました。

VCT更新に伴う検相確認

VCTの更新など、配線の取り外し・再接続を伴う工事では、相順の確認も大切です。

今回は検相器を使用し、相順を確認しました。

【写真:検相している様子】


【写真:検相器の表示】

復電時にも検相を行い、低圧側のブレーカーを投入する前に確認しました。

地絡継電器の試験準備

こちらの現場では、キュービクル内に地絡継電器(GR)が設置されています。

今回は、GRとLBSによる地絡保護の動作を確認するため、試験器の配線を行いました。

この現場での主な接続先は、次のとおりです。

  • 試験電流の配線:ZCTの試験箇所
  • 動作検出の配線:LBSのトリップ回路
  • 試験器の補助電源:GR電源用MCCBの二次側

【写真:GR本体】


【写真:LBSのトリップ回路への接続】


【写真:トリップ回路の端子】


【写真:補助電源の接続】

今回は、LBSのトリップ回路に出力される電圧を検出するため、試験器の動作検出設定を「電圧」にして試験を行いました。

接続箇所や試験器の設定は、設備の回路や使用する機器によって異なるため、その現場に合わせて確認します。

VCT更新工事の完了後にリレー試験を実施

地絡継電器の試験は、VCTの更新工事が完了してから実施しました。

試験では補助電源を使用するため、工事の作業が終了した状態で進めたかったからです。

今回の工事箇所と試験箇所は直接干渉するものではないと考えていましたが、時間に余裕もあったため、工事完了を待って試験を行うことにしました。

待っている間は、設備の清掃を進めました。

同じ停電時間内に点検と工事を行う場合は、お互いの作業状況を把握し、実施する順番を調整することも大切です。

送電前の確認と復電作業

点検と工事が完了した後、送電前の確認を行いました。

主開閉器であるLBSが開放されていること、短絡接地器具が取り外されていること、設備内部に工具などの忘れ物がないことなどを確認します。

確認後、電力会社に借室内の開閉器の投入を依頼しました。

LBSの一次側で各相の電圧の有無を検電器により確認し、その後、LBSの投入操作を行いました。

また、LBSの投入前にGR電源用のブレーカーを投入し、受電とともにGRへ電源が供給される状態にしておきました。

受電後に地絡保護が働くよう、保護継電器の電源状態も確認します。ただし、このGRとLBSによる保護では、LBSより電源側にある引込ケーブルの地絡事故を切り離すことはできません。

高圧側の送電後は、低圧側のブレーカーを投入する前に検相確認を行い、順次復電しました。

復電後はタイマーの時刻も確認

復電後は、低圧分電盤に設置されているタイマーの時刻も確認しました。

停電によってタイマーの時刻がずれ、照明などの運転時間に影響することがあるため、ずれている場合は現在時刻に合わせます。

【写真:低圧分電盤のタイマー】

停電補償付きのタイマーでも、長年使用していると内蔵バッテリーの劣化などにより、停電中の時刻保持ができなくなっているものがあります。

そのため、停電補償機能の有無だけで判断せず、復電後に実際の時刻を確認することを大切にしています。

復電後の確認まで行い、今回の年次点検とVCT更新に伴う作業を無事に終了しました。

高圧受電設備の保安管理のご相談

安井電気管理事務所では、神奈川県を中心に、自家用電気工作物の保安管理委託業務を行っています。

横浜・湘南・東京都内での受託経験があり、月次点検や年次点検を通じて設備の状態を確認しています。

高圧受電設備の保安管理について、ご相談・ご依頼をお待ちしております。


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